BIOは生きもの、TOPは空間。BIOTOP(ビオトープ)とは、野生の生きものが生息している場所・空間のことを言います。

 森や林、草はら、池、小川、浜辺など、自然の中には本来、いろいろなタイプのビオトープが豊かにあるものです。これらの自然のビオトープは、目先の経済など大人の都合を優先したまちづくりが行われた結果、徐々に姿を消してしまいました。今の日本は、山にも身近な場所にもみどりはあるものの、健全な自然は少ししかありません。国土の68%が森林に覆われていると言われてはいますが、実は自然の森は18%ほどしかなく、草はらや水辺などを加えても自然の土地は20%程度、“みどり”はあっても“自然”はないのです。

 しかし、子どもたちが健やかに成長するためには、自然体験が欠かせません。地域の自然をお手本とする「学校ビオトープ」や「園庭ビオトープ」が身近にあれば、子どもたちは日常的に自然とふれあうことができます。また、子どもたちが自然との共生を体験的に試行検証する場にもなります。さらには、学校・園庭ビオトープをつくることで地域の自然が少しずつ増え、2030年に向けたネイチャーポジティブの実現につながっていきます。

 そのようなビオトープが、体育館や図書室と同じように、どこの学校・園にもあったなら──。学校ビオトープ・園庭ビオトープはドイツで考案されましたが、日本生態系協会がそれらを日本国内に紹介してから40数年経ちました。もっと多くの方に知っていただければ、「すべての学校・園にビオトープを」という願いの実現にまた一歩、近づくことができます。そのようなことから、私たちはこのコンクールを開催し、普及啓発に努めています。 

 

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 全国学校・園庭ビオトープコンクールは、2年に1回、開かれます。

 ビオトープを整備して授業で活用したり、他の学校・園のすばらしい取組を参考にして改良・改善するためには、ある程度の時間が必要です。そうしたことに配慮し、コンクールは1年おきとなっています。

 なお、第1回目は、1999年度の開催でした。2025年度で14回目、 25年の歴史があります。これまでにのべ1,000件以上の学校・園が受賞しました。 これまでの受賞校・受賞園 を見る

 

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 審査は、学校・園庭ビオトープを通じて環境教育や自然体験活動を進めていく際の“ポイント”を6つの観点に整理し、それをもとに行っています。

    ●全国学校・園庭ビオトープコンクールの運営

    ●地域の自然をお手本とし、地域の生きものが暮らしやすいように工夫しているか。

    ●(特に小学生においては)取組全体を通じ、子どもたちが積極的に、主体的に関わっているか。

    ●取組全体を通じ、保護者や地域住民、環境NGO、行政機関、団体・企業などと

     継続的に連携をしているか。

    ●子どもたちの豊かな感性を育むために、学校・園庭ビオトープを積極的に活用しているか。

     また、様々な教科や特別活動で、広く教材として活用しているか。

    ●学校・園庭ビオトープを育成管理し、活用を継続するための、体制が整っているか。

    ●取組を地域に発展させ、ビオトープのネットワークや人のつながりを広げていく視点を持っているか。

 

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 賞は、大きく3種類、用意されています。

 

 

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 このコンクールは、さまざまな団体・企業の後援や協賛、市民のみなさまのご寄付に支えらえれて運営しており、審査や補足調査にあたっては、全国各地の専門家やビオトープ管理士、こども環境管理士にご協力を頂いています。

 また、学校・園を訪問させていただくこともある補足調査は、各校・園の先生方やお子さま方、保護者、協力団体、行政のみなさまなど、さまざまな方のご協力の下、実施させていただいています。

 

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